教務部長からの一言 2021

12月22日(水)更新

いよいよ冬休みです。クリスマス、大晦日、お正月です。楽しいことがたくさんあるかもしれませんが、冬休みの宿題や受験勉強、そして家の手伝いなど、しなければいけないこともたくさんあります。忙しくて余裕がなくなると、街のイルミネーションを見ても「はーっ」とため息が出てしまうかもしれません。そんな時は自分に小さなご褒美を作りましょう。これが出来たらあれが食べられる。これが出来たらあれが出来る。ささやかでも、ご褒美があるのはちょっと嬉しいものです。大変なだけでは疲れてしまいます。前を向けるためのご褒美を自分で作って頑張りましょう。

12月15日(水)更新

「過去は誰にも変えることができないけど、未来は誰でも変えられる。」大切にしている言葉です。明日小テストがあるとして、いつもなら何もしないのに今日は1時間勉強したとしたら、そのことが明日の点数を変えることになります。そして明日いつもよりいい気持になれば、今よりも少しだけ希望が膨らみます。「希望なんてないし」と諦めている人も、「希望を持ってもいいかも」と思えたりします。1年を振り返る時期です。今年の自分に足りないことがあったなら、反省することは大切なことです。でもそれよりもっと大切なのは、明日のため、来年のために今何かをし始めることです。やればやっただけ未来は変わります。「どうせ頑張ったって・・・」なんて未来を決めてしまわないで、未来を変えて見せましょう。

12月9日(水)更新

10年前なら高校生の多くが持っていた電子辞書を見かけなくなりました。みんなスマホで調べています。英単語や現代用語だけでなく、いろいろなことを調べるときスマホはとても便利です。私も授業で、生徒が知らないことが出てきたとき利用しています。古典で「御格子まゐる。」の「まゐる」が「お上げする」という意味だと説明するとき「御格子」が何かをスマホの画像で見せます。言葉だけで説明するより画像を利用する方が圧倒的に「御格子まゐる。」の意味が脳に焼き付きます。小学生に「流氷」を説明するときでも、やはり「海が凍って氷になって浮いている」などと言うより画像の力は強力です。せっかく便利な道具としてスマホがあるのなら、それの何が良くて何が良くないかをきちんと理解して利用したいものです。

12月1日(水)更新

大きな目標を決めてそれに向かって進んでいこうとするとき、右肩上がりの一直線のグラフのようにやっていける人は、そんなに多くはいません。2歩前に進んでは1歩後退したり、何も進まないまま数日が過ぎたり、大きな波線のように進んでいくのが普通です。大切なのは、その波線がちゃんと目標に向かっていることです。ぐたぐたっとなるときがあったとしても、きちんと目標に向かっていれば気持ちや行動を修正して必ずたどり着けます。「今の自分がしていることはちゃんと目標に向かっているか?」と自問自答してください。何度でも修正して、しっかり目標を達成しましょう。

11月25日(木)更新

もう何年も前のちょうど今頃、中学3年生が教室に入ってきて席に着くと、顔を机に伏せて泣き出しました。「あー、もうおれだめやー」と言ってボロボロと涙を流しました。模擬テストの結果が返ってきて、それがとても悪かったので志望校に合格できないと思って絶望していたのです。私が「そんだけ泣けて良かったねえ。そんだけ泣けるってことは、それだけその学校に入りたいって気持ちが強いってことだからね。そういう人は強いよ。ここから絶対頑張れる。先生がやりなって言ったものは全部やるっていう覚悟はあるか?」と聞くと、「うん」と答えてくれました。本当に言った通りのことをやってくれて、2月の前期選抜で合格してくれました。

11月17日(水)更新

同じように料理ができる二人が料理番組を見ていたのに、ひとりはその後その料理が作れて、もう一人は作れなかったとします。この違いのポイントは、作ろうという意志を持って見ていたかどうかです。作ろうと思っていれば、手順や注意するところを見落とさず、作り方を覚えておくこともできます。ただ見ていただけでは「おいしそう」で終わってしまいます。勉強をしているときも「自分も出来るようになりたい」「覚えたい」という意志を持っていることがとても大切です。そして、その「覚えたい」という意志も、「覚えられたらいいなあ」「覚えよう」「覚えないわけにはいかない」というように、どのレベルの意志なのかで勉強量も内容も違ってきます。意志を持って勉強をしていますか?

11月10日(水)更新

ずっと以前、記憶障害がある生徒を担当したことがあります。小学5年生でしたが、積み木を積んでその形を覚えてもらって、一度崩してからまた作ってもらうということから始めました。担当してすぐに、その子がゲームができることを知りました。ゲームのやり方を記憶できるのは、画像であること、楽しいこと、そして毎日繰り返していることがポイントだと考えて、算数の問題を漫画のような絵で表して、同じものを毎日1回やるように宿題にしました。その子は私の指示通りにやってくれて、学習としての記憶ができるようになりました。しばらくすると、活字の問題も出来るようになって、普通に高校も卒業できました。覚えられないのは毎日しないからです。たとえ1問でも、毎日することが大切です。

11月3日(水)更新

「あー、今日は疲れたー。もう何にもしたくない!」そう言ってソファーでぐたっとしている人。「明日の単語テストで合格点取らなやばい。」と言って英単語を発音したり書いたりしている人。どちらも、言っていることとやっていることが一致しているので違和感はありません。ところが、「今度のテストはいい点取りたい。」と言いながらずっとゲームをしている人。これは言っていることとやっていることが違うので違和感満載です。こういう時、私は厳しいことを言います。「言っていることとやっていることを一致させなさい。方法は2つ。『いい点取りたい。』に合わせて勉強をするか、『ゲームをしたい。』に合わせていい点取りたいって言うのをやめるか。いい点取りたいって言いながらゲームをするなんていう中途半端はするな!」と。

10月27日(水)更新

大学受験では小論文が必要になることがあります。小論文対策というと作文を書く能力が大事でその練習かと思ってしまいますが、そうではありません。そのテーマに対する知識を増やすことが一番大切です。800字の論文を書くには800字分の言葉が必要です。ところが、そのテーマに対する知識がなければ言葉は出てきません。言葉がなければ、いくら作文能力のある生徒でも書くことはできません。一般的な小論文のテーマというものがあって、その対策はもちろんしますが、今を映したようなテーマもあります。ジェンダーレスやネット上の誹謗中傷などです。ジェンダーレスな働き方やネットの匿名性について生徒と話をして考えを膨らませています。

10月20日(水)更新

生徒にはよく,「原因の原因を考える。」という話をします。例えば計算問題で単純ミスが多かった時、「なんでこんなにミスしたのかなあ?」と聞くと、「うっかりしてた。」と答えます。うっかりが原因のようですが、なぜうっかりしてしまったのか、それを考えることが大切です。最初に考えた「うっかり」は表面的なものなのに、自分は原因を考えたと思っています。私が「計算するとき、ミスをしちゃいけないって思ってた?」と聞くと、ほとんどの生徒が「あっ」となります。ミスをしてはいけないと思っていれば、うっかりはしません。「外科医が手術の時ミスをしないのは、ミスは許されないと思っているからやで。うっかりはないよな。」と言うとわかってもらえます。いろんなことの原因の原因を考えましょう。

10月14日(木)更新

「今日頑張れるのは、明日いいことがあるから。」短い言葉ですがとても大切なことです。今日苦しかったり辛かったりしていると、その大変さにばかり気がいって、耐えられなくなってしまうことがあります。でも、「それは明日いいことがあるため、明日笑うため。」そう思うと頑張ることができます。病気になってしまって辛い治療をするときでも、この苦しさを乗り越えたらまた元気になれると思うから頑張れます。「希望を持つ」ということが、頑張るためには絶対必要です。「課題を頑張る」とか「勉強を頑張る」とか、大変なことに目を向けるのではなくて、「そしたらこんないいことがある!」という希望を今よりもっと強く思って下さい。もっともっと希望の話をして下さい。頑張る力が湧いてきます。

10月6日(水)更新

以前、私の担当していた生徒が「登録販売者」という資格をとるために勉強をしているという話を書きましたが、今回、その資格試験に合格しました。ドラッグストアや薬局で一般用医薬品を販売できる資格です。昨年末から独学で勉強を始めたのでサポートしてきました。順調に勉強が進んでいた7月、妊娠していることがわかりました。不妊治療をしていた状況だったので妊娠したことは素直に喜びましたが、つわりがひどくて大変でした。約1か月はそれまでのような勉強が出来ず、8月末が試験だということを考えると合格を諦めかけていました。自分の体とお腹の赤ちゃんを最優先にして、そのうえで出来ることをやっていこうということで勉強を続けて、みごと合格してくれました。いつ、どんな状況になっても、その状況の中のベストを尽くすということが大事です。

9月22日(水)更新

高校生になると理系か文系かを選択しなければならないことがあります。数学や理科を主に学習するのか、国語・英語・社会を主にするのかという選択です。今の教育のシステムとしてそうなることは理解できるのですが、人は理系か文系の2択にしてしまえるほど単純ではないので困ります。数学は好きだけど理科は苦手な人がいます。得意教科は数学・理科だけど大学で理工学部のようなところに行きたいわけではなく、理系のような仕事に就きたいわけでもない生徒もいます。国語と社会と数学が得意な生徒はどうしたらいいのでしょうか。多様性という価値観が世の中の主流になってきています。そうであるなら、この理系か文系の2択についても多様性という価値観で考える世の中になればいいのにと思っています。

9月15日(水)更新

学校教育の中には苦手科目を克服するための補講はありますが、得意科目を伸ばすための補講はほとんどありません。ですから、いつのまにか学習とは苦手を克服することだと思い込んでいます。英語の苦手な人が1時間英単語を練習するとしたら、単語を何個か書いては「はぁー」とため息をつき、また何個か書いてはお茶を飲みに行き、実際は半分の時間しか集中をしていないことがあります。そしてそんな時でも気分だけは「1時間勉強して疲れたー」となっています。それならば、得意な科目を50分やって残りの10分で単語を何個かするくらいのほうが、効率を上げることができます。得意な科目は結果を出しやすいので、テストでいい結果が出れば自信にもなります。特に受験は戦いです。戦うには武器がいります。その武器が得意科目です。得意を伸ばして苦手は底上げをする。そう考えると勉強が少し楽になります。

9月8日(水)更新

昨日、以前私が担当していた大学生が進路の相談に来ました。大学で学んでいることとは別にやりたいことが見つかって、どうしたらいいかという相談です。大学に入ってから今までどんなことがあったのか、なぜ別のことをしたくなったのかなど聞きました。想像していた以上にいろんなことを考えいろんな行動をしていました。新しく見つけた進路は単にイメージや思いつきではなく、そうなるだけの出来事がありました。アルバイトは、大学生のバイトというより社会人としての経験を積んでいるようなことをしていて、それも彼を成長させていました。「その場が良ければいいや。」というような感じだった高校生の時とは違いました。家の人もいいと言っているそうなので、やりたいことに進むための具体的なアドバイスをしました。前を向いているときの顔はとてもいい顔です。

9月1日(水)更新

「英語を覚えるとき、書いて覚えるのがいいのかなあ?」と質問をされました。私は、「2歳児が書いて覚えているのを見たことある?」と聞き返します。日本の2歳児が日本語を、アメリカの2歳児が英語を覚えるとき、書いて覚えるなどということはしません。「耳で聞いて言ってみる。」ということを繰り返しているだけです。「ほしい。」と言うと何かをもらえることを知ると、1日に何回も「ほしい。」と言います。2歳児は勉強時間を決めて言葉を覚えているわけではありません。1日のうちに何回でも、声に出すことで覚えます。英語に限らず、覚えたいことがあるなら声に出して言って、音で脳に記憶させましょう。音で記憶したことは、脳を使わない感覚で脳から引き出すことができます。例えば「おなかすいた」と言うとき、脳を使わない感覚で言っているように。

8月25日(水)更新

もうすぐ2学期が始まります。緊急事態宣言のために夏休みが少し延びた学校もありますが、それでも9月には始まります。今回のコロナ感染では、デルタ株というウイルスのせいで若い年齢層にも感染が広がっています。学校が始まって、集団感染などがないことを祈っています。もし感染してしまったら、保健所の指示に従うことになりますが、濃厚接触者になった場合、たとえPCR検査で陰性だと分かったとしても、2週間は自宅待機ということになります。感染症法に基づくお願いですので、よろしくお願いします。塾としても感染者を出さないように、十分に気をつけてやってまいります。

8月18日(水)更新

左腕を机に投げ出して、その腕に頭をのせて、“こたーっ”とした様子で、でも、ずっと問題を解いている生徒がいます。授業の最初から最後まで。もちろん、背筋を伸ばした正しい態度ではありません。褒められたことではないかもしれません。ただ、この生徒からは、やらなければならないことから逃げないで、しんどい自分と闘いながら勉強をしていることは伝わってきます。これがこの生徒の頑張る姿なんだと理解して見ています。頑張り方や頑張る姿は人それぞれでいいと思っています。世の中の理想に合った姿を求めているわけではありません。大事なことは、どれだけぐたぐただとしても、やるべきことから決して逃げないで、1歩でも足を前に運ぶことです。そうしていれば、100歩進める自分にもなれます。

8月11日(水)更新

明日から塾はお盆休みです。夏休みもあと2週間ちょっとです。何が出来て何が出来ていないかをチェックしてみましょう。学校の宿題を期限を守って提出することは、社会性を身に着けるという点でとても大切なことです。「〇〇までにする」という約束は、世の中に出ると守らなければならない最低限のルールです。今のうちに、そのルールを当たり前のように守ることが出来る素質を育てておきましょう。学習の中身としてのチェックもしてみて下さい。夏休みの間に出来るようにしておきたいと思ったことは、出来るようになっていますか。いい気持ちで2学期を迎えられるように、残りの時間を使いましょう。

8月4日(水)更新

「すぐ忘れる!」と生徒が言います。忘れるというのは困ったことですが、脳にとっては普通のことです。実は忘れるということは脳にとって大切な働きです。もし脳が忘れることをしなかったら、嫌なことやつらいことをずっと覚えていることになります。しんどいですね。適当に忘れていくからやっていけるのです。つまり、脳にとっては忘れることが普通で、覚えておくことは脳の働きに反することだと考えてみれば、勉強は脳の働きに逆らった行動ということになります。ですから、覚えておこうとするときは「なんとなく」などという中途半端な気持ちでは無理だということです。「覚えるぞ」「忘れるな」という強い気持ちがいります。

7月28日(水)更新

ある生徒が「もし時間を止められたらおもしろいな。」と言いました。その生徒の設定では、もちろん時間が止まった世界で自分だけは動けるというアニメのようなものです。お気楽な雑談のつもりで生徒は言ったのですが、私はついでに「じゃあ、時間って何?」と質問をしました。物理的にいうと面倒な話になるので、「地球が自転をしていることで時間は決められている。」という話をして、さらに、時間が止まるということは地球の自転が止まるということだとすると、自転が止まると地球はどうなるかと話を広げました。生徒が「自転の速さってどれくらい?」と聞くので、赤道付近が自転によって1秒にどれくらい回転するのかを生徒と計算してみました。1秒で約460mです。2秒ちょっとで1㎞進む速さです。「地球はすごい!」と言っていました。

7月21日(水)更新

インターネットを使えば、危険で近づけないような噴火の様子や、遠すぎていけないような場所で起こっている出来事も、自分の部屋にいて知ることができます。本でしか調べることが出来なかった時代からすれば、動画という情報は、世界観を変えてしまうほどの力があります。ですから、何かを調べるとき、鮮明な写真や動画や詳しい解説を見ると、「わかった」と思ってしまいます。でも、今の情報技術では知ることが出来ないことがあります。「におい」と「感触」です。“バーベキュー”をネットで調べれば、どんなことをするのかすぐにわかります。でも炭火で焼ける肉のいいにおいを知ることは出来ません。実体験だけが、においや肌触りやぬくもりを教えてくれます。ですから、ひとつでも多く五感で感じることをしてもらえたらと思います。

7月14日(水)更新

夏休みです。今年の夏もコロナ感染を意識しないわけにはいきませんが、ひとつでも多く楽しいことがあるといいなと思います。塾の先生として皆さんにしてほしいことは、「生活時間を乱さない」ということです。アニメ的に想像してみて下さい。夏休みでもいつもと変わらない生活をしている子と、深夜まで起きていて昼近くになって起きてくる子を。どんなキャラクターが浮かびましたか?いつもと変わらない子は元気にしていて、深夜まで起きている子はダラーとした感じではありませんか?生活時間が変わることは、ただ時間がずれるわけではありません。気持ちも考え方もすることも変えてしまいます。理想的な生活でなくても構いません。基本の軸をつくって、そこから離れないようにしていれば、いろいろなことが出来る夏休みになるはずです。

7月8日(木)更新

期末テストの結果が返ってきて、生徒たちは喜んだりがっかりしたりしています。「点数」というのは生徒たちにとってはとても大切なことなので当然ですが、講師としては、それぞれの生徒がどんな状況でどんな結果だったかを見ています。みんなが同じ状況でテストを受けているわけではありません。自分自身のこと、友達や家族や部活のこと。生徒たちはいろいろな状況の中でテストを受けています。自分で何とかなることもあれば、どうにもならないこともあります。だから私はいつも、「その状況の中のベスト!」という表現をします。もし、大変な状況の中で頑張ったのなら、たとえ点数は良くなかったとしても、「がんばったね!」とたくさん褒めます。

6月30日(水)更新

暑くなってきました。そろそろ梅雨も本格的になるという予報を聞くと、湿度が高くて蒸し暑くなるんだろうなあと思います。気をつけたいのは熱中症です。今年もすでにニュースでは、練習中に生徒が倒れたということを伝えています。体育や部活でしんどくなった時、どうか我慢をしないで下さい。残念ですが、学校の先生すべてが熱中症についての正しい知識や対処法を知っているわけではありませんし、いまだに根性論を生徒に押し付ける先生もいます。そんな時は、自分で自分を守るしかありません。熱中症は重症化すると腎不全や多臓器不全になる怖い病気です。しんどくなった時、どうか我慢をしないで下さい。

6月23日(水)更新

実は、私の高校2年の2学期の通知表は、評価できないという意味の斜線「/」か「1」でした。高校2年の夏休みに入院をして12月の初めごろに退院しました。2学期の期末テストは、入院していた病院から外出許可をもらって受けに行きました。習っていないことのテストですから結果は散々でした。あと2日休めば出席日数不足で自動的に留年という首の皮1枚つながっている状況で、学校からは2学期の学習が抜けているから留年する方がいいと勧められました。私は留年は嫌なので、何をすれば3年にならせてくれるか、各教科担当の先生に掛け合うと、大量の課題を出されました。冬休みから3学期にかけて、2学期に習うはずだったところを必死にやって3年生になることが出来ました。本気でやればなんとかなります。

6月16日(水)更新

生徒はよく「なんで、将来必要じゃないことを習わなあかんの?」と質問してきます。確かに、数学の「√」を生活で使うことはないし、縄文時代のことを知らなくても生きていけます。私は「世の中の理不尽に耐える力をつけるため」と答えます。合計すると150ページにもなるほどのワークを提出物として出され、おまけにAノートやBノートで評価されます。でも、「なんで?」と思うことでもきちんとやる。理不尽さに負けない強い気持ちを作っておく。こうしておけば、世の中に出て大変なことをしなければいけなくなったとしても、何とかしていく自分になれます。だれかのせいにしてだめになってしまうのではなく、大変な中でも生きていける、そういう人になるために、必要じゃないかもしれないことを習っています。

6月9日(水)更新

「ナス」という言葉を聞いたとき、瞬間にいくつのことを思い浮かべることが出来るか・・・。こんなことを大学生と話しました。自分はどうしたらいいのかよくわからないという相談でした。どんな世界に身を置くとしても、自分がそこにいる意味を感じることが出来ることは大切で、そのために必要なのは付加価値だと話しました。ほかの人とは違う何かを持つこと。一つの言葉からどれだけ幅のある発想が出来るかもその力のひとつだということで「ナス」を取り上げました。「ナスの料理がいくつか、植物としてのナスの葉や花や実の付き方や葉によくいる昆虫のこと、お盆の行事でナスときゅうりでお供えを作ること」こんなことぐらいが一瞬で出てくるくらいの自分になるためのことをしようと。

6月2日(水)更新

何かを調べるとき、インターネットを使うことが多くなっています。小学生の宿題でも、インターネットで調べてまとめるというものが少なくありません。ただ、このことに慣れすぎると、調べる作業をしただけで“わかった”と思ってしまうことが心配です。例えば、果物の糖度を調べると「みかん12%・りんご15%・バナナ21%」と出ています。でもこれは味覚としての甘さの順ではありません。ただ100gあたりの糖分の割合を示しているだけです。それぞれの果物を食べた経験があれば「あれ?」と思えるはずです。インターネットで調べたことは、知識の一部でしかないことを常に意識しておいてほしいと思っています。

5月26日(水)更新

ある生徒はずっと夢を持っていて、その夢を持っていることがすべての原動力になっていると感じていました。夢を語る時の表情は生き生きしていて、テスト前でもその夢のために頑張っていました。ところが、その夢をやめて別のことを目標にすることになりました。もちろん、生徒はそのことに納得をしてそうすることになりました。そしてそれからは、その目標を達成するためにはどうしたらいいかという話をするようになり、勉強もそのためのものになりました。納得してそうしたわけですが、いろんなことがうまくいかなくなり苦しむことになってしまいました。先日、その生徒に「あなたは夢のためなら頑張れる人なんだよ。納得していたつもりでも、目標じゃ頑張れないんだよ。だから、どう夢にするか考えよう。」と話しました。

5月19日(水)更新

いろいろな視点で考えるということは、そのものを理解することや何かに気づくこと、問題を解決することにとても役立ちます。教室で起こった何かについて考えるときも、数学の図形の問題を考えるときも、先入観で1つの視点しか持てなかったら解決できないかもしれません。こんなことはわかっているのに、それでもいざとなるといろいろな視点で考えるということが出来なかったりします。これは、実際にものをいろいろな視点で見る経験が足りなくて、見方を変えると見え方が変わるという実感が足りないからじゃないかと思っています。今年は梅雨入りが早く、今日も雨が降ったりやんだりです。小雨のときに、雨を下から見上げてみて下さい。雨が揺れながら落ちてきます。

5月12日(水)更新

勉強のことで生徒から質問を受けます。勉強のやり方や覚え方のようなものもあれば、「この問題がわからない」「何でこれがこうなるのか教えてほしい」というものもあります。私はそのどちらもうれしく思っています。勉強のやり方を聞いてくるということは勉強について考えているということで、問題がわからないということは勉強をしているということだからです。困ったり悩んだりするということは、自分と向き合っているということです。「何とかしないと!」と思う気持ちは自分を向上させてくれます。今、わからないことや出来ないことがたくさんあるとしても、そこから逃げないでちゃんと向き合っていけば、ひとつずつ解決していって、必ず今よりもいい自分になれます。

4月28日(水)更新

また緊急事態宣言が出されました。今回はいろいろな施設に制限がかけられ前回とは違う感じです。緊急事態宣言のせいかどうかわかりませんが、公立中学校のホームページの行事予定から中間テストが消えています。期末テストの予定は6月末に入っているので、中間テストがあるかどうかの確認をして下さい。ゴールデンウイークに入りますが、今年も我慢をしなければならないことが多くあります。その中で楽しいことがひとつでも多くあるといいなと思っています。勉強もして、そして感染対策を十分にして楽しいことも考えましょう。連休明けに、みなさんの笑顔が見られることを楽しみにしています。

4月21日(水)更新

誕生日にケーキにロウソクを立ててお祝いをするとき、ロウソクにふーっと息をかけて火を消します。どうして火は消えたのでしょう?旅行に行った先の夕食で、ひとり用の鍋に目の前で火をつけてもらって食べることがあります。その鍋が紙で出来ていたとしても燃えないのはなぜでしょう?こんな話を授業の雑談としてします。ロウソクが燃えるのは、芯の所で気体になったロウに火がついているからです。そして息を吹きかけると気体のロウが吹き飛ばされて燃えるものが無くなってしまうから消えるのです。紙の鍋が燃えないのは、紙が火で熱せられて燃えたくても、鍋の中の約100℃のつゆで冷やされて燃えるために必要な温度になれないからです。身近なところに理科があることを知ってもらえたらと思っています。

4月14日(水)更新

4月になり、生徒たちはそれぞれに新しい環境が始まりました。たくさんの生徒が、新しい担任の先生のことや友達のことを話してくれました。楽しい話もありますが、そうではないこともあります。生活のパターンが変わりいろいろな不安をかかえてしまって、延々と思いを話してくれた生徒がいます。また、「行動しないといけない」「自立しないといけない」と言われ考えていたらしんどくなってしまった生徒もいます。「行動とか自立って、言葉が硬いよね。こんなんだったら幸せだろうなあって思ってみよう。やわらかい言葉で考える方がしんどくないよ。」というと安心してくれました。同じ生徒はひとりもいません。そして生徒ひとりひとりが発する些細な言葉の中に、その生徒の考えや思いがこめられています。相手の言葉を聞いてみましょう。わかってあげることができます。

4月7日(水)更新

「500円あげるから好きなお菓子買っていいよ。」と言われたら、子供は買いたいものの中から、500円で買える物をあれやこれやと考えます。もしもお金に制限をつけなければ、考えることなしに欲しい物を買い物かごに入れていきます。「制限」が考えることを生み出しているとわかります。気にしなくていいというのはとても魅力的なことです。カメラにフイルムを入れて残りの枚数を気にしながら写真を撮っていた昔より、今はずっと便利です。でも「あと何枚」とか「残りはどんなふうに撮ろうか」などと考えることはなくなりました。適度な制限というのは、考えるということをさせてくれます。大切なことだと思います。

3月24日(水)更新

桜が咲き始めました。もうすぐ入学・進級の季節です。楽しみでワクワクしている人がいれば、新しい友達ができるか、ちょっと不安でドキドキしている人もいます。初めて出会った人がどんな人か、見た目ではわかりません。扉を開けてくれていたら中の様子はわかるのに、人にはそんな扉がありません。自分で探るしかありません。じゃあどうやって?・・・その人に何かを聞いてみましょう。「これって明日持ってくるのかなあ?」とか。どんな返事をしてくれるかで、自分に合いそうな人かどうか感じてみましょう。いい感じと思ったらもう少し話してみましょう。もちろん「ありがとう」の言葉は忘れずに。こんなことから「友達」が出来ていきます。楽しい4月になりますように。

3月17日(水)更新

生徒たちには夢を持ってほしいと思っています。目標と言えるような明確なものでなくてもいいです。叶うかどうか、今はよくわからないような不確かな夢でもいいです。もしかしたら、「どうせ夢を持っても叶うわけないし。」と諦めてしまっているかもしれません。でも、叶うかどうかを今決める必要はありません。夢を持って、その夢に1歩でも近づくための何かをして下さい。今日やった1歩がどれほどのものかわからないとしても、何かをするということが大切です。夢のために何かをしている間は前を向いています。そうやって前を向いていると、次の2歩目、3歩目が見えてきます。そして、それを続けていった先に「夢が叶う」ということが待っています。“若い”ということは、可能性がたくさんあるということです。可能性を信じて進んでいきましょう。

3月11日(木)更新

以前担当していた生徒から資格を取るための勉強のことで相談を受けています。その生徒は2年前に結婚をしていて、薬局で働くための資格を取りたいと思い、昨年末から勉強を始めました。その内容は体のことや薬品のことで「メチルエフェドリン塩酸塩」や「センソ」などというあまり聞いたことのない言葉が出てくるなかなか難しいものです。時間の使い方、勉強の仕方、覚え方など困った事を聞いてきてくれます。中学生のとき「うちアホやから、いっぱい勉強せんとあかんねん」と言ってすごく頑張った生徒です。8月の試験に向けて頑張っていますが簡単ではないので、今日も「もう自分の頭はなんでこんなにもあほなのか」「もー昨日の夜からずっと泣いてた」とLINEが来ました。アドバイスをすると「お昼たべてまたがんばる」と返事がありました。前を向いている生徒を応援しないわけにはいきません。

3月4日(木)更新

板にくぎを打つときのことを想像して下さい。右利きの人なら、左手にくぎを持ち打つところに当て、右手に金槌を持ってくぎをたたきます。このとき、たいていの人は金槌を一度くぎに当てて、それから金槌を振り上げてたたきます。これは、金槌をくぎに当ててから振り上げた軌道を脳が覚えていて、その軌道通りに振り下ろせば失敗しないと知っているからです。先の目標を決めたら、目標を達成して喜んでいる自分を想像して下さい。そしてそこから現在まで時間を戻してみましょう。途中経過をしっかり想像しながら戻します。そうしておけば、あとはイメージ通りのことをすることで目標にたどり着けます。大切なのは目標を達成して喜んでいる自分を定めておくことです。

2月25日(水)更新

公立高校の前期選抜の合格発表がありました。合格した皆さん、おめでとうございます。そして、合格とはならなかった皆さん、気持ちの切り替えは出来ましたか?中期選抜まであと12日です。ショックから立ち直るために時間をかける余裕はありません。こういう時は“えいっ!”という気持ちで無理やりでも切り替えなければなりません。人生の中のたった12日です。この12日間勉強をやりまくって下さい。“がんばる”なんていう弱い気持ちではなく、“合格してみせる”という攻めの気持ちで立ち向かいましょう。そこには、生き生きとした自分がいるはずで、強い自分になっているはずです。

2月18日(水)更新

生徒から「東大生ってすごいと思う?」と聞かれました。「勉強を頑張った人だとは思うけど、東大生というだけですごいかどうかはわからない。」と答えました。「すごいと思う。」という答えを期待していたようだったので、「東大って、毎年3,000人が合格するんやで。もし、『ぼく、今年の高校生のテニスのランキングで3,000位だった』って言われたら、すごいって思う?」と聞いてみました。「東大」という世の中が作ったイメージで人を評価してしまいがちです。でも、東大生ということでわかっているのは、あの難しい入試問題ができた人というだけです。東大生も医者もすし職人も先生も、その人を表す「形」にすぎません。大切なのは、どういう人かと言うことです。だから私は、たとえ小学生でも、すごく物事を考えている子がいればすごいと思います。

2月10日(水)更新

目標達成のための“今日”の重みというのは、目標をいつに設定したかで感覚が変わります。例えば、1年後に100点を取るという目標のための今日と、明日のテストで100点を取ると決めた時の今日の違いです。1年後の100点のためなら“まあ、今日はやらなくてもいいか”と思うことはありますが、明日100点を取ろうとするときに“やらなくていいか”はありません。目標設定が近ければ近いほど“今日”の重みが増します。1年後のために目標設定をするときは、それに合わせた細かい目標設定をしましょう。大きな目標のための小さな目標を設定することで、今日を大切にすることができます。

2月3日(水)更新

「急にばかになったりしない!」私が自信を無くしている受験生にかける言葉です。過去問をしていると難しい問題の年があったりして、いつものように点が取れないときがあります。精神的に不安定な受験生は落ち込みます。「あかん!やばい!」と。その後は、不安やあせりのまま問題をするので、気づくはずのことに気づけなかったり、見えるはずのことが見えなかったりして、点数が伸びなくなります。「今日2+3=5が出来た人が、明日急に出来なくなることがあるか?ないよ。人は急にばかになったりしない。安心しな。」と言うと落ち着いてくれます。まだ知識が足りないなら頭に入れればいいし、問題が難しすぎたせいなら、みんなも出来ないと思って捨てればいいだけです。大切なのは“出来ない”という気持ちを引きずらないことです。

1月27日(水)更新

私にとって初めての出来事がありました。先日から、新たに小学生を担当することになり、最初の授業がありました。そこで、その小学生から「先生、○○っていう人知ってる?」と聞かれたので、「知ってるよ。昔、先生が教えていた生徒やで。」と答えると、「その人、ぼくの担任の先生やねん。」と言われました。学校で塾の話を担任の先生としたとき“明塾”と言うと、「ぼくも明塾だった」ということになって、そこから担当が同じ“増子!”となったようです。私にとっては「あの子が先生になったのかー。」という思いと、“この子の先生の先生が自分で、今、私はこの子の先生”という1周回りのような感覚が、不思議な感じでした。とても誠実な生徒だったので、いい先生になっているんだろうなと思っています。

1月20日(水)更新

新型コロナウイルスにより、2度目の非常事態宣言が出されています。今回は塾が自粛対象でないこと、学校が休校になっていないこと、受験シーズンであることを考慮して、通常通り授業をしています。ただし、昨年4月と比べると比較にならないほどの感染状況で、感染リスクは今の方がはるかに高い状態です。近隣の学校で感染者が出たということを聞くにつけ、いつどこから感染者が出てもおかしくないようになってしまったなと思います。ですから塾としても、これまで以上に感染防止に努めて、塾から感染者を出さないようにとしているところです。また塾生の皆さんには、塾に来る際には必ずマスクを着用するようにお願いいたします。

1月13日(水)更新

「本番を想定しない練習には意味がない」という話を生徒にします。例えば、野球には“送りバント”というものがあります。バットにボールをこつんと当ててボールを地面に転がすものです。そしてこの練習を和やかにやっているチームをよく見かけます。だめです。“送りバント”とは、1点を争うような緊迫した場面で、1球で決めなければならないとても緊張感のあるプレーです。和やかに練習した技術は、緊張した場面では使えません。プレッシャーをかけて出来た技術だけが緊張した場面で役に立ちます。計算練習をしている生徒に「1問も間違ったらあかんで!」と言うと、それまでガチャガチャと書いていたのが、とたんに丁寧に書き始めました。「1問でも間違ってはいけない。」これが本番を想定した練習です。

1月6日(水)更新

明けましておめでとうございます。今年は新型コロナウイルス感染で大変な年の始まりになりました。でも、そんな状況でもやはり皆さんには笑顔でいてほしいと思っています。昨日もたくさんの生徒の笑顔を見せてもらいました。今までなら一人では出来なかった問題を自分一人でやってみて出来たとき。女の子がお年玉で女子力アップになるものを買った話をしてくれたとき。大学受験で迷っていた生徒が、考えを整理して方向性を決めてすっきりしたとき。それぞれにいい笑顔でした。「明日笑顔でいたい」そう思えば前を向けます。大変な状況の年だからこそ強くそう思います。