教務部長からの一言 2023

12月28日(木)更新

今日で今年の授業は終わりです。1年間ありがとうございました。今年もたくさんの人との出会いがありました。塾の先生ということをしていなければ出会うことのなかった人たちと出会って、いっしょに勉強をして、生徒の人生のほんの一部にでも関われていることに感謝しています。もし生徒から信頼されているとしたら、その信頼に応えるために、この1年間自分に出来ることは全部するという思いでやってきました。当たり前ですが生徒には個性や環境の違いがあって、その中で生徒は精一杯のことをしていると思っています。もし、「だるいなーって思ってたら寝ちゃった。」と言われたとしても、「そうなんだ」と一旦認めてあげてから、「この子のために必要なことは何?」と考えてやってきました。来年になってもこれまでと変わらずに、生徒のために必要なことをするというスタンスでやっていくんだろうなと思っています。みなさんが幸せであるようにと願っています。

12月20日(水)更新

もうすぐ冬休みです。クリスマスやお正月で街は賑やかになります。楽しみな予定のある人にとってはわくわくです。よい冬休みになるといいですね。でも、受験生にとっては楽しいことばかりではありません。ずっと「勉強・入試・受験」という言葉がちらつきます。どんなに周りが浮かれていても、自分はやることをやらなければなりません。つらいです。自然と気持ちが暗くなってしまいそうです。そんな時は小さなご褒美を作りましょう。「これをがんばったらあれが食べられる。これをがんばったらあれが出来る。」というように。苦しいだけでは頑張れません。苦しい中に何か楽しみを作りましょう。それがあれば何とか乗り切れます。受験生にとっても、よい冬休みになりますように。

12月13日(水)更新

学習にはこれまでの学習を踏まえたものと、突然はじめて出てくるものがあります。2+3を学習した後で15+26をすることは、難しくなったとしても初めてのことではないので、やる内容を理解することはできます。ところが、突然ふりこのこと、突然選挙のこと、突然数列のこととなると、一からの学習です。一つ一つわかりながらやっていかないと、自分は今なにをしているのかわからなくなってしまいます。そしてわからないことをそのままにしておくと、わからないことだらけになります。初めての内容を学習するときは特に、わからないことを次の日に持ち越さないことが大事です。その日のことはその日のうちに解決しておく。大変ですが、わからないことだらけの大変さよりましです。がんばりましょう。

12月7日(木)更新

テストで80点を取るということは、80点分正解した事実があるということです。「80点くらい取れると思う。」と言っているだけなら、80点分正解という事実はありません。本当に正解するという事実を作った人だけが結果を出せます。覚えたと思うのではなくて、本当に覚えたという事実です。当然ですが、そのためには時間が必要です。たとえ効率よく勉強する方法があったとしても、「覚えた」「できた」というためには時間が必要です。24時間という平等に与えられた時間の中から、どれだけ勉強のための時間を取れるかが結果を決めていきます。楽しいことが多くなる季節ですが、時間確保は確実にしていきましょう。そして「できた」という事実を積み重ねてください。

11月22日(水)更新

「勉強やったの?」「課題ちゃんとやらなあかんよ!」「もういい加減やりや!」こんなふうに言われると、やる気が失せて、「ちゃんとやるし、いちいち言わんといて!」と反発します。—“ちゃんとやるし”—これがなかなか難しいです。YouTubeを見たり、ゲームをしたり、友達と通話をしているとあっという間に時間は過ぎています。楽しいことを途中でやめて勉強をしようと思うと、かなり強い意志がいります。多くの人が「ちゃんとやるし」と言うとき、反発心から言っているだけで、強い意志があるから言っているわけではありません。だから、結局ちゃんとやれなかったりします。「ちゃんとやるし」と言った人!強い意志を持ってちゃんとやりましょう。

11月15日(水)更新

テストには、覚えていたらできるけど、覚えていなければできないということが多くあります。覚えてほしいと思って授業で説明したり練習をしたりしますが、次の週には忘れてしまっていることもあります。どうしたら覚えていられるか?答えは簡単で、忘れる前にやることです。自分はどれくらいで忘れる人間かを把握して下さい。もし、自分は3日で忘れそうだなと思ったら、2日目に1問だけでもいいのでやって下さい。そしてまた2日後にやる。覚えておくことに対してたった1問でも、忘れる前にやれば忘れません。3日で忘れそうになるのに4日もやらなければ忘れてしまいます。面倒かもしれませんが、それをすれば覚えられます。

11月9日(木)更新

中学校や高校はもう少しで期末テストです。多くの学校で1学期の期末テストあたりから急に記述問題が増えたように思います。ある学校の理科のテストには、8か所も記述がありました。単に語句を覚えようとするだけの学習では対応できません。記述が多くなり配点も大きくなるのにその対応をしていなければ、その分点数が悪くなってしまいます。今までと同じ努力では点が悪くなるということです。語句を覚えるような学習は出来るだけ早くやってしまって、記述に対応することをやっておかなくてはなりません。「テスト1週間前になったら頑張る」というような頑張りでは通用しなくなったと思っておきましょう。

11月1日(水)更新

何かがうまくいかなかったり、失敗したりしたとき、「なんでやろー。何があかんかったんやろー。」と思って、こうかな?どうかな?とまたやってみようとします。同じことをやってもダメだとわかれば、必ず違う方法で試してみます。同じことを繰り返していたら同じ結果にしかならないことはみんな知っています。それなのに、勉強だけはそうじゃない人がいます。テストの結果が良くなくて、次は結果を出そうと思っているのに、何も変わらない人。1日の勉強量。学校のワークをするタイミング。勉強の方法。何も変えようとしないで、いつものようにゲームをしてスマホを見ています。これで結果が変わるはずがありません。結果を変えたければ、自分の何かを変えて下さい。しんどいことかもしれませんが、自分を何とかした人だけが、結果を変えることができます。

10月25日(水)更新

子どもたちは、YouTubeやゲームからいろんな情報を得ています。昨日、中1の生徒と授業をしていたら、突然「できかねます」と言いました。「えっ、なんでそんな言葉を知ってるの?」と聞くと、「ゲームの中で言ってた。」ということでした。「できない」を丁寧に表現する言葉です。その生徒にとって、「できない」じゃなくて「できかねます」という音の響きが面白くて耳に残ったようです。YouTubeの情報には、本当かどうか怪しいものがたくさんあるので、気をつけなければなりませんが、今の子供たちは、こんな風にして情報を得て、言葉を知っていくんだなあと思わされる出来事でした。ちなみに、「できない」の敬語は、「いたしかねます」で謙譲語になります。

10月18日(水)更新

「今日、授業でどんなことやったの?」と学校のことを聞いたとき、「なんやったっけ?」となってしまう生徒がいます。「何か1つでもいいから、どんな言葉が出てきてたか思い出して。」と言うと、○○と思い出してくれます。私は、学校の授業が無駄になっているなあと思います。学校の授業で基本的なことを学習して、そのうえで塾でさらに学習するのがあるべき姿だと思いますが、塾で基本を1から教えなければならないことになります。生徒が学校の授業を聞かなくなるには理由があります。先生の説明がわかりにくくて何を言っているか分からないので、聞くのをやめてしまうこと。先生がプライベートな話をすることが多くて、どうでもいいと思っているうちに授業そのものも聞かなくなることなどです。気持ちはわかりますが、学校の授業を無駄にするのは損なことです。頑張って聞きましょう。

10月11日(水)更新

好きなことなら何回でも繰り返しやれます。ですから、いつの間にかやり方を覚えてしまうということができます。なんとなくやっていることでも、繰り返していれば覚えます。でも、勉強が好きな人はそう多くはいません。繰り返し練習といっても、好きなことほど繰り返したりはしません。繰り返しが少ないとしても覚えないといけないなら、“覚えるぞ“という強い意志を持つことです。強い意志があれば、“なんとなく”なんかより早くたくさん覚えられます。「強い意志なんか持てない」と思うかもしれませんが、「覚えよう」と思えばいいだけです。教科書に目を近づけて食い入るように見ている子。上目づかいになってぶつぶつと口を動かしている子。意志を持っている姿です。

10月4日(水)更新

以前担当していた生徒が久しぶりに会いに来てくれるということが、続けざまにありました。その2人は兄弟で、最初は大学生のお兄ちゃんが2年半ぶりくらいに、“報告することがある”ということで来てくれました。その話の中で、高校生の妹が今大変なことになっているという話題になって、数日後に妹も来てくれることになりました。妹とは約1年ぶりの再会です。高校生活がどんな感じなのかずっと聞きました。普通の高校生は感じることのないハイレベルなストレスにさらされていることがわかりました。話を聞いてあげているとどんどん明るくなって、「また話しに来る」と言って帰りました。みんな、話を聞いてほしいんだと思います。

9月28日(木)更新

「そんなことして、先生、面倒じゃないの?」と聞かれました。いろんなものを作ったり準備したりしています。やらないでおこうと思えば、やらなくてもいいこともやります。「面倒でも、それをする方がいいんやろー。だからやる。」というのが答えです。面倒だからしないということがよくあります。たしかにその時はしなくて楽かもしれません。でも、「しない」ということからは、何も生まれないし、得るものもありません。面倒なことも、すればいいことがあります。面倒なことをした人だけが得られるいいことです。面倒な提出物があったとしても、手を抜かずやれた人にはいい結果がついてきます。「やればいいことがある。」そう思って頑張りましょう。

9月20日(水)更新

高校生が大学入試で面接をするのでその対策をしています。その生徒は幼児教育の道に進もうとしていて、そのための学部を受験します。面接練習の中で「子どもに寄り添う」と言ったので、私はどうすることが寄り添うことかを聞きました。「寄り添う」ということが大切だとわかっていても、どうすることがそうすることかをあまり考えないでいます。答えに詰まっていたので私の話をしました。その日の私の担当は小1から高3まででした。私はいつもいろいろな年齢の子が今どんなことに興味を持ってどんなことを考えているか、アンテナを張っています。そのうえで、生徒と接するときそれぞれの生徒の年齢まで自分を下げます。その子の状況も意識して一旦その子になったつもりで考えて、それから先生という立場で何かをすれば、それが寄り添うことだと思っています。

9月13日(水)更新

国語の授業をしていたら、「柿をもいでくる」という表現があり、生徒からどういう意味か質問をされました。生活の中に柿の木があれば、「もいで食べる」という言葉を使うかもしれませんが、そんなことがほとんどない街の暮らしでは、使わない言葉になってしまっています。「ちぎるように取る」という意味で、「もぎたて果実」とか、「腕がもぎれそう」などという表現で使われたりもします。国語力を上げようとすれば、知らない言葉も知っていく必要があります。読書によって知っていくという方法もありますが、もっと強制的に知る方法として私が中学高校の時にしていたことは、寝る時に国語辞典を見ることです。ぱっと開いたページで目についた言葉の意味を見たら、また別のページを開きます。こんなことを毎日6年間やり続けてぼろぼろになった国語辞典の写真も載せておきます。

9月6日(水)更新

「宇宙人の絵をかいて」と言われたとします。おそらく、それぞれが思い思いの宇宙人を描くでしょう。顔や手足が奇妙な形をしているかもしれないし、虫のような形を描く人もいるかもしれません。では、これを保育園の2歳児の教室に行ってしたとしたらどうでしょうか。何も描けない子供たちがたくさんいると思います。それは、「宇宙人」が何かを知らないからです。人は、知らないことは描くことも想像することもできません。「知っている。」ということが出来るかどうかを分けていきます。自分を何とかしたければ、いろんなことを知ることです。知ろうとすることです。もし、「どうせ自分には、なれる職業なんてないし。」と思っている人がいたら言いたい。「そう言えるほど、職業を知ってるの?」

8月30日(水)更新

評論文の学習を高校生としていて、「私は私の意識の内に自閉し、私の意識の外にある外界と他我が完全に消え去ることになる。」という文章の意味を考えてもらいました。これは、「人は、自分が意識していることを世界だと思う(思うしかない)ので、自分の意識の外にある世界は消えてしまう(ない)。」ということを表現しています。なかなか感覚的に理解することが難しそうだったので、「ホンジェラスの朝市」と突然私が言いました。当然生徒は「えっ?何言ってるの?」という顔をしました。ホンジェラスというのは、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸を結ぶ細くなった所にある国の名前です。「ホンジェラスって言われる瞬間まで、世界の中にホンジェラスって存在してなかったやろー。」と言うとどういうことかわかってもらえました。

8月24日(木)更新

お盆休み中に以前担当していた生徒と会うことがありました。その生徒は小さい時から役者になりたいという夢を持っていましたが、高校を卒業してから、大阪の商業系の大学に進学しました。ただ、心の中にもやもやと残っていた夢を捨てられなくて、いきなり東京にオーディションを受けに行きました。関係者の目に留まり、役者になるための学校に入ることを勧められ、大学を1年間休学して去年の9月に東京に行きました。東京の学校では、歌、ダンス、台本を週に3本覚えること、映画を週に12本見てレポートを提出すること、パフォーマンスすることなどかなり厳しいスケジュールで、そのうえに深夜22:00から翌朝6:00までのバイトで、大変だったようです。先月、卒業を前にして芸能事務所がたくさん集まった中でのオーディションがあって、その生徒は30社から声がかかったようで、休学中の大学をどうするかという相談でした。夢を現実にする過程を見させてもらいました。

8月9日(水)更新

だれかに勉強を教えるという行為は、ワークをする以上に勉強になります。ワークなら、やっとの思いで出来たり、なんとなくこうかなあと思ったりしたレベルでも、答えが合っていれば一応出来たことになります。でも、それではテストでも出来るとは言い切れません。もし人に教えるとなれば、どんな考え方をするか、なぜそうなのかを順序だてて言えて、質問にも答えられなければなりません。深く理解しておくことが必要になります。このことを自分の勉強に取り入れましょう。「もし人に教えるとしたら」という学習です。水の電気分解の説明ができる。織田信長について教科書にあることは話せる。どうしてその式が作れて、その後の計算方法がどうかも言える。こんなふうになることが勉強だと思いましょう。

8月2日(水)更新

夏休みの間に、学習に関わる実験をほしいことがあります。算数か数学の計算問題を用意して下さい。難しすぎない問題を10問くらいが最適です。用意が出来たら、テストだと思って集中してやってみましょう。そのとき、何分何秒という正確さで時間を測っておいて下さい。次に、それと同じ問題を2週間くらいたってからもう1度やってみます。2週間くらい間を置くのは、1回目の計算の記憶がなくなったころにしてほしいからです。そして、2回目も時間を測ってするのですが、今度は出来るだけ急いで「時間がない」と思いながらやってみましょう。1回目よりどれくらい時間短縮になるか、正確さはどうかがポイントです。実際のテストで「やばい、時間がない!急げ!」となったとき、どれくらいの正確さでどれくらい時間短縮ができるのか、本当のところを知っておく実験です。

7月27日(木)更新

バッキンガム ケンジントン アルハンブラ バチカン ジャイマンデル宮殿 モンテチトーリオ カルロス ベネチア シントラ パラッツォファルネーゼ・・・これは“水曜日のカンパネラ”という音楽ユニットの「バッキンガム」という曲の歌詞の一部です。曲の途中には、35度39分44.72秒 139度35分24.89秒 などという数字も出てきます。最初に聞いたとき、よくこんなにも意味のないような言葉の羅列をボーカルの人は覚えたなあと感心しました。そしてその秘密はリズムにあると思いました。ただ棒読みしたのでは覚えられそうにありませんが、リズムに乗せれば覚えられます。勉強をしていて、だらだらと覚えなければならないものが出てきたら、勝手にリズムを作って言ってみましょう。覚えやすくなるはずです。

7月19日(水)更新

「考える人と考えない人の違いは何だろう?」という問いかけの答えはすでにこの文章の中にあります。この文章は考えている人の文章で、なぜこの人は考えたのかというと「何だろう?」と思ったからです。「何だろう」とか「なんで」と思うことが、考える時の最初の1歩です。表面だけを見て「わかった」と納得してしまえば、その人にとっては見えている表面だけがそのことのすべてになります。「なんで」と思った人は、表面に隠れて見えない何かに気づけたり本当のことがわかったりします。夏休みです。時間はあります。いつもなら素通りしてしまうことでも、「なんで」と思って考えてみましょう。面白いことに気づくかもしれません。

7月12日(水)更新

ダンスができる人はダンスを通して人と知り合うことになります。手話ができる人は手話を通して人と知り合うことになります。できなければ知り合うはずのない人と「できる」という理由で知り合うことができます。ダンスができたり手話ができたりすることは、それ自体が素晴らしいことですが、そのことでたくさんの人と知り合えるというのも、とても大切なことです。自分では思いつくことがなかったことに気づかせてくれたり、自分はどうしていったらいいのかを考えさせてくれたりします。その人は、人生に関わる人かもしれません。夏休みです。勉強をして、できることも増やして、たくさんの人と知り合える自分を作りましょう。

7月5日(水)更新

ベトナムからの留学生と知り合いました。電気の回路図を難しそうな顔で見ていました。高校の物理基礎で習うくらいの内容の回路図でした。直列と並列が少し複雑に組み合わされているので、確かに難しそうでしたが、難しさのポイントはそこではありませんでした。説明が全部日本語で書いてあったことです。学ぶ内容が難しいのに、それを日本語で学んでいる彼らの大変さは簡単に想像できます。以前、京大にコンピューターについて学びに来ていた留学生が、小学校の漢字ドリルで勉強していたのを思い出しました。8時50分から3時50分まで学校があって、夜中に工場でアルバイトをしているそうです。「えらいねー」と言うと、「えらくはありません。あたりまえです。」と言っていました。本当に当たり前だという口振りでした。「がんばって!」と思いました。

6月28日(水)更新

京友禅や友禅染という言葉を聞いたことがあるでしょうか。京都の伝統工芸のひとつです。何色もある染料を混ぜて色を作り染めるのですが、染めた後の「蒸し」の工程で色は発色し鮮やかになります。例えば朱色を作るとき、先に黄色を入れて作った朱色とそうでない朱色では、蒸す前は同じに見えても発色の仕方が変わります。黄色の強い朱色になってしまって「なんか違うな」と思ったら、その原因である黄色を入れるタイミングを変えなければなりません。ところが、なんか違うと思ってもその原因が何かを知らなければ、思っている色を作ることは出来ません。思っていた結果にならなかったとき、やらなければならないのは原因を知ることです。そしてその原因に対応することが結果を変えるということです。

6月22日(木)更新

「先生は社会の勉強をどうやっていましたか?」と聞かれました。ノートはどうしていたかとか、ワークはどうしていたかという質問です。でも私が中高生のときワークもノート提出もなかったので、ワークやノートをどうしていたかという質問に答えることはできません。代わりに私がしていた勉強法を話しました。発想の原点は「ワークがなくても、教科書を全部覚えれば、ワークをやった以上の力がつく。」ということです。まず今日覚えようと思う教科書を読んで何のことか理解をしていきます。理解ができたら覚えようとして、ぶつぶつ自分で自分に言い聞かせていきます。覚えたなと思ったらそれを紙に書いていきます。それを教科書と見比べて、足りなかったところはまた覚えようとします。これを繰り返して、教科書のことをほとんど口で言えたら完成です。

6月14日(水)更新

国語という教科は、日本語が話せる人が物語や説明文の内容理解をしていくことです。教科書の本文を読んで言葉の意味を知ったり、指示語が何を指すかを考えたりしながら学習していきます。英語も、本文が書いてあって、やはり単語の意味を知ったりtheyやitが何を指しているのかを考えたりしながら学習するので、国語と英語は同じような教科だと思っています。でも、最初のところが違います。多くの生徒は、英語が話せない人たちか、話すのが苦手な生徒です。中1の生徒に、突然Can you study English?と言ってみました。その生徒は、No, I can’t.と手を広げながら答えてくれました。いい感じです。ほんの短いフレーズでいいので、話せる状況を作りながら英語も学習できるといいです。

6月7日(水)更新

「普通」って何でしょうか。休みの日はごろごろしている人にとっては、それが「休みの日の普通」。家に帰ると必ず筋トレをする人にとって、「筋トレは普通」。学校から帰るとまず宿題をする人はそれが普通だし、野菜しか食べない人にとってはそれが普通です。「普通」というのは、その人が普段当たり前のようにしていることで、ですから、「普通」は人によって様々です。そして、その「普通」がその人を作り上げています。自分を変えようと思ったとき、特別に何かをしようとしてもうまくいかなかったり続かなかったりします。「特別」なことは脳も体も疲れるからです。自分を変えたかったら、「普通」を変えましょう。その人の「普通」がその人を表します。

5月31日(水)更新

「覚える」ということは「脳に残る」ということです。ですから、覚えるためのノートというのは、脳に残りやすいノートということになります。一番おすすめなのは「メモリーツリー」という書き方です。例えば、「織田信長」についてまとめようとするとき、織田信長をノートの中央に書いたら、それに関連する「豊臣秀吉・鉄砲・楽市楽座」のようなワードを周りに書いていきます。さらにそのワードの説明や関連することを書き足していきます。線を延ばしたり、絵をかいたりするのも効果的です。短文やワードで構成されていると視覚的に脳に残りやすく、「ノートの右上のあたりに書いてあった。」というような思い出し方さえできます。学校提出用には向かないかもしれません。自主学習としてやってみてください。漫画風に中学歴史をノートまとめした生徒もいます。ノートを紹介できたらと思います。

漫画風の一例です。
画像をクリックすると拡大されます。

5月24日(水)更新

本来、覚えるための手段であるはずのノートづくりが、ノートを作ることが目的になってしまった原因は、学校の「ノート提出」という課題だと思っています。「課題提出」というのは手段ではなくて目的です。学校が「ノート」を目的と位置付けてしまったので、いつの間にか、ノートを作ることを覚えるための手段だと思わなくなってしまいました。ある生徒が提出ノートを見せてくれましたが、B判定とされていました。十分よく出来たノートに見えましたが、「これが足りない」「あれがあれば」ということを先生から言われたそうです。つまりその生徒は、評価をされるためのノートを作ることになります。どんどんノートづくりが目的化されていきます。では、具体的にどうすればいいかは、次回書くことにします。

5月17日(水)更新

社会のノートを作りたいけど、どんなふうにまとめていったらいいのかという質問を受けました。よくあるのは重要語句を書いて、その説明を文章にしていく方法です。大事と思う所にはマーカーでラインを引いたりします。でもそれは本当に自分のためになると思ってしているのでしょうか。ノートを作ることが目的になって、ノートが出来たら勉強が出来たと思ってしまっていないでしょうか。「どんなことを書いたの?」と聞いても答えられない人がいます。ノートを書く作業に一生懸命だった人です。本当に大切なのは、自分がわかって覚えられることです。ノートはそのための一つの手段なだけです。覚えることとノートの関りについて、次回書くことにします。

5月10日(水)更新

学校の先生が自分に合わないことや、クラスの雰囲気が思っていたのとは違うことなど生徒から話を聞きます。気持ちがしっくりこないのでなかなか勉強に前向きになれないでいるようです。そう思う気持ちはわかるのですが、「影響を受けてるなー」とも思います。そんな先生やクラスのせいで自分がやるべきことが出来ていないなんて、もったいないです。先生やクラスのことは切り離して、自分がやるべきことをやって、できる頭を作っていきましょう。1度賢くなった頭は、だれからも影響を受けません。5+3=8と分かった頭は、嫌なことがあったからといって5+3=6になったりはしません。勉強をして、できる頭にしてしまいましょう。賢くなった頭はだれからも邪魔されません。

4月26日(水)更新

大学入試のための国語の授業をしていて漢字の話になったので、私が中学の時にしていたことを話しました。私は漢字ひとつひとつの読みと意味とその漢字を使った主な熟語を毎日いくつか調べて書いていました。文章を読んでいて知らない熟語があったときに、漢字そのものの意味から熟語の意味を推測できれば便利だと考えたからです。先日その生徒にしてもらっていた国語で、空欄に当てはまる言葉を考える問題があり、分からなくて困っていました。本文中に関連づいた言葉として「概念」とあったので、「概」ってどういう意味かを聞くと「おおむね」と答えてくれました。じゃあ、空欄に入る言葉は「おおむね」という意味を持っていることになるねーと言うと、すぐに「抽象的」という正解にたどり着きました。ひとつの漢字の意味から答えが出せて生徒は笑っていました。

4月19日(水)更新

「ゲームのことで友達がもめてるのを見てた。」と生徒が言いました。この生徒が見ているのは「スマホ」です。「友達」というのは、オンラインゲームで知り合った24歳から小学生までの人たちで、会ったことがない人たちです。ゲームのことでその人たちが言い争っているのをスマホで見ていたようです。争っている人たちは、会ったこともない人に自分の正しさを主張しているので、いつまでたっても解決はしないということでした。「書き込み」という手段で相手を批判するということが日常的に行われていて、そのような人は相手の事情や状況にお構いなしに自分の正しさを主張します。もっと生身の体験をたくさんして、そこから人を認めることや優しさが育ってくれたらと思います。

4月12日(水)更新

入学や進級があり、新しいクラスや担任の先生について、たくさんの生徒が話してくれました。「良かった」という生徒もいれば、「終わった」と言った生徒もいます。何人か友達できたというのを聞くとホッとします。みんなうまく新しいクラスでやっていけるようにと思います。新しい環境でうまくやっていくためにとりあえず必要なことは、相手の価値観を認めることです。何についても価値観は人によって違います。「人はそれぞれ違う」ということが、コミュニケーションの大前提です。その違いを、「そうなんやー」とか「そうだよねー」というように、力を抜いて認めてあげることが出来たらうまくいきます。

4月5日(水)更新

以前担当していた生徒から、看護師の国家試験に合格したというLINEが届きました。数学が大嫌いな生徒で、ずっと「いややー」と言いながらやっていました。高3のとき、数列の漸化式の問題が出来ていたので、「おっ!できたやん。」と言うと、返ってきた言葉が、「いやすぎて覚えた!」でした。その生徒は、どれだけいやでも、間違っても、「もういややー」と言いながらもやってくれました。「またこれや。」と言いながらもやって、そして出てきた言葉が「いやすぎて覚えた!」です。私はこの生徒に数学を好きになってほしいと思ったことはありません。「嫌いなままでいいよ。」と思いながら見守っていました。どれだけいやでも逃げないでやる姿を見せられたら、応援しないわけにはいきません。

3月22日(水)更新

桜が咲き始めて、いよいよ春です。もうすぐ入学や進級の季節です。それぞれの生徒が新しいステージで羽ばたいてくれたらと思っています。希望を持てること、明日に期待できることはとても幸せなことです。でも、なかなかそうはならないで、不安を抱えている生徒もいます。4月から中学生になる生徒は、学校の先生が怖かったらどうしようという話をしてくれました。小学校で怖い先生がいて、トラウマになってしまったようです。中3になる生徒は中2で嫌なことがあったので、クラス替えになった後どうなるか心配なようで、どうしたらいいのかと話してくれました。私に出来ることは、考え方や気持ちの持ち方を言ってあげるくらいしかありません。春を楽しみにしている生徒もいれば不安に思っている生徒もいることをわかってあげて下さい。

3月15日(水)更新

私は子供のころ、田んぼと山しかないようなところで育ちました。そんな田舎だったのに、家には顕微鏡がありました。そして顕微鏡の使い方を覚えると、いろんなものをのぞいてみました。鼻血が出たときその血を顕微鏡で見て、血液はつぶつぶで出来ていることを知りました。蚊の足先がうろこのようになっているのを見て、だからいろんなところに留まっていられるんだと思いました。私が、見えないものを見ようとするようになったり、どんなことにも理由があると思うようになったのは、この小学生のころの経験があったからだと思っています。人の気持ちも見えないという点で同じです。でも、気持ちをわかろうと思ってその人を見ているとだんだんわかってきます。人を思いやるということは、見えないものを見ようとすることだと思います。

3月8日(水)更新

勉強のことや友達のこと、ほかにもいろいろなことで「あー、こうしとけばよかった。」「もし、こうしていれば。」と思います。でも、いくら考えても過去を変えることは出来ません。反省は大切ですが、変えることが出来ない過去を考え続けるのは苦しいだけです。それよりも、誰でも変えることができる未来を考えましょう。未来が大げさなら明日のことでもいいです。きのうの自分じゃなく明日の自分。「明日はこうしよう。」「これからはこうしよう。」こう考えることが希望です。そして、希望は人を明るくするし、明るくなれば元気になります。もうすぐ新しい学年や新しい学校生活が始まります。新しい自分の始まりです。

3月1日(水)更新

3月13日から新型コロナウイルス感染症についてのマスクの着用が個人の判断に任せられることになります。それに伴って、明塾でも職員や生徒さんのマスクの着用はそれぞれの判断に任せることになります。マスクはしてきてもいいし、しなくてもいいということです。ただし、咳の出る症状がある人は、マナーとしてマスクをするようにお願いします。また、新型コロナがインフルエンザと同じ扱いになるのは5月8日からです。それまでは感染者はもちろん濃厚接触者も塾を休まなければいけないことは続きます。みなさん、感染しないように気をつけましょう。

2月22日(水)更新

今日は公立高校前期選抜の合格発表の日です。合格したみなさん、おめでとうございます。みんなが合格していてくれたらと思いますが、倍率がなかなか厳しいので難しいところです。合格とはならなかったみなさん、気持ちを切り替えていきましょう。中期選抜まで14日間です。がっかりしている時間はありません。“えいっ!”という気持ちで、無理やりでも気持ちを切り替えて前を向きましょう。今出来ることは合格を目指して勉強することだけです。“絶対合格してやる”という強い気持ちで14日間を過ごして下さい。今苦しいのは最後に笑うためです。最後に笑うためならなんだってするという気持ちで、頑張りましょう。

2月15日(水)更新

高校入試は、先日私立が終わり明日は公立の前期選抜です。共通検査、独自検査、作文、面接といろいろあります。生徒によって受験の仕方はいろいろですが、どの生徒もこれまでやってきた力を出し切ってくれることを願っています。授業をしていると、生徒の不安や緊張が伝わってきます。言葉には出さなくても、みんなドキドキしています。何とかしてあげたくても、私に出来ることは解き方や気づき方を教えることだけです。緊張やドキドキは自分で乗り越えなくてはなりません。受験は自分との戦いだなと思わされる場面です。みんなこれまで頑張ってきた自分を信じて戦ってきてほしいと思います。

2月8日(水)更新

先日の日曜日、京セラ美術館に美大の卒展を見に行ってきました。私が中2から高校を卒業するまで担当していた生徒の卒業制作展です。その子は染織が好きな子で、昨年は自分で繭から糸を紡いで、その糸を木の実などを採って草木染をして、手織りで作品を作りました。今年はどうかなと思いながら行きましたが、作品と彼女のコメントを見て、涙が出そうになりました。そのコメントの抜粋です。「私は糸が捨てられません。糸の繊維にまで愛着が湧いてきます。作品に使った糸も試作に使った糸もすべて残していました。卒業制作では、4年間の集大成として残していた糸たちをほぐし合わせ、紡ぎ直して作品を制作しました。4年間があったから生まれた『私だけの糸』をぜひ、繊維まで見てください。」糸を残していることは知っていましたが、まさかその糸で卒業制作をするとは思ってもいませんでした。私の想像をはるかに超えたこの子の思いに感動させられました。

2月1日(水)更新

ずーっと昔、私が少年野球の指導者をしていた時、子供たちに言っていたことは、「動ける人は動く、歩ける人は歩く、走れる人は走る」です。人はそれぞれ持っている力が違います。ですから、出来ることや出来ないことはそれぞれ違います。みんなが同じじゃなくていい。ただ、みんなが持っている力を、それぞれ精一杯出してほしい。そう思って言っていました。走れるのに走らない。歩けるのに歩かない。動けるのに動かない。これでは本当の自分と向き合っていないし、自分を表現したことにはなりません。自分に出来ることだからそれをする。なまけるわけでもなく、無理をするわけでもない。自然にそれが出来てほしいと思っています。

1月25日(水)更新

昨日の夕方から夜にかけての雪は大変でした。前日からニュースでは伝えられていましたが、4時ごろは雪の気配はなくて油断していました。5時半ごろ、生徒の「雪、すごいことになってる」という声で外を見ると、真っ白に積もっていました。急いで生徒たちに連絡をして、7時以降の授業は中止することができました。今回のような雪だけでなく暴風や大雨の時でも、塾に行くのが怖いな、心配だなというときは、生徒さんの方から休むと言っていただいても大丈夫です。安全を第一に考えましょう。

1月18日(水)更新

練習で出来ないことは、実践でも出来ません。ですから、実践を想定した練習がとても大事です。テストも同じで、例えば試験時間が50分なのに40分しか集中出来なかったら、力を発揮することも出来ません。勉強の内容も、勉強する時間も、本番を想定したことをしましょう。どれだけ面倒でも、テストに出ることを練習で出来るようにしておかなくては結果は出せません。勉強を頑張ったと言っても、それがテストに出るようなものでなければ点数にはつながりません。20分で疲れたと言っているようではだめです。これが受験となればなおさらです。現実をしっかり見て、それに対応したことをやっていきましょう。

1月11日(水)更新

私が中学生の時に覚えるためにしていた勉強法です。まず、覚えようとすることを、何も見ないで言えるようにします。それが無理な時は覚えたいことを小さなメモに書いてポケットに入れておきます。そしたらそれを、1日かけて言い続けます。朝言って、通学途中で言って、昼言って、下校途中も言って、夜も言います。1日中言い続けると、口が勝手に言うようになります。いちいち頭で考えなくても口が動きます。机に向かって勉強しているくらいの時間では、口が勝手に動くようにはなりません。本当に何かを覚えようとするなら、そうなるための強い意志がいります。めんどくさいことでもする覚悟がいります。

1月4日(水)更新

明けましておめでとうございます。今年もみなさんに沢山いい事がありますようにと願っています。・・・お正月ですから、いろいろな所で「今年は良い年になりますように。」と聞きました。本当にその通りです。ただ、「今年」というと大きすぎる話なので、話をとても小さくして、「明日は良い日になりますように。」と考えてみました。明日ならだれもが具体的にイメージ出来ます。そして、明日を楽しみにして今日眠ることが出来たら幸せだなあと思いました。その逆に明日に心配な事があって、明日になるのが嫌だなあと思ってしまうのはしんどいことです。もし、明日の心配な事のために今日準備が出来るなら、精一杯の準備をしておきましょう。いい準備が出来れば、心配だったことも楽しみに変わるかもしれません。